EMWAC IMS を Windows 2000 へ導入する際の補足事項

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はじめに

EMWAC IMS は EMWAC が提供していた Internet Mail Service です。

以前に Windows NT での導入方法を紹介しましたが、Windows 2000 になって導入の仕方が少し違います。そこで、前回紹介した ”フリーソフトを用いたメールサーバの構築” の補足記事としてこのページを作成しました。

今回のページでは、多くの部分を省略していますので、必要に応じて以前のページもご覧下さい。

 

EMWAC IMS のインストール

まず EMWAC IMS をダウンロードして展開します。

今回は展開されたファイルをシステムフォルダ C:\WINNT\SYSTEM32 へコピーしてインストールすることにしました。DLL 等のシステムファイルが隠されていないか気をつけましょう。

ちゃんとインストールしたい場合は、”フリーソフトを用いたメールサーバの構築” をみてください。

今回は、コントロールパネルへの登録の配慮がいらない点や、パスの通ったディレクトリのためインストール作業が用意であることから、システムフォルダへインストールするようにしました。

 

システムフォルダへのコピーが終わったらコマンドプロンプトから、

pop3s -install

smtprs -install

smtpds -install

として各ソフトのインストールを行います。

 

EMWAC IMS の設定

続いて EMWAC IMS の設定を行います。

コントロールパネルから、【EMWAC IMS】 というアイコンをダブルクリックして、EMWAC IMS の設定ダイアログボックスを表示します。

とりあえず今回は、設定はディフォルトのままで行うことにします。ただし Accept Mail For の項目に、今回のメールサーバの名前である ims.exp.ez-net.jp を設定しました。

なお、ims.exp.ez-net.jp は内部用の DNS サーバを用意して、そこで名前解決を行えるようにあらかじめ設定しておきました。

 

EMWAC IMS の開始と自動起動の設定

EMWAC IMS を Windows 2000 の起動時に自動的に開始するためには、Windows NT の時と同様にサービスの設定で ”自動” 起動ができるように設定する必要があります。

Windows 2000 の場合、Windows NT とはわずかながらサービスの設定を行う場所が違いますので、改めて紹介します。

【スタート】 メニューの 【設定】 → 【コントロールパネル】 を選択して、コントロールパネルを開きます。その中に 【管理ツール】 というアイコンがありますのでそれをクリックします。

すると次に現れたアイコンの中に 【サービス】 がありますので、それをダブルクリックして起動します。あとは Windows NT のときとほとんど同じです。IMS POP3 Server, IMS SMTP Derivery Agent, IMS SMTP Receiver の3つのスタートアップの種類を、”自動” に設定すれば完了です。

 

ついでにメールの送受信ができるように、【開始】 ボタンをおして、それぞれのサービスを開始しておきましょう。

 

EMWAC IMS 用のアカウント設定

メールを利用できるアカウントを作成します。

グループ周りの設定は、ドメインコントローラの存在によって大きく変わってきますので気をつけましょう。今回は、メールサーバがドメインコントローラではなく、また他のドメインにも参加していない場合を想定しています。

 

今回のメールサーバはドメインコントローラではないので、ローカルユーザをつかって作成を行ってみることにします。

「マイコンピュータ」 上で右クリックをして、【管理】 を選択します。

”コンピュータの管理” ウィンドウが現れますので、そのなかから、【ローカルユーザとグループ” を選択します。

まずは管理しやすいように、メールを利用できるグループを作成しましょう。

”グループ” を表示して、システムメニューの 【操作】 から 【新しいグループ】 を選択します。すると作成するグループの情報を入力するダイアログボックスが現れるので、そこで、グループ名とコメント等を入力して 【 OK 】 を押して完了です。

今回は、”IMS Users” というグループを新規に作成しました。

 

続いて メールの送受信を行うユーザを登録してみます。

今度は ”ユーザ” を表示して、システムメニューの 【操作】 から 【新しいユーザ】 を選択します。ユーザ登録用のダイアログボックスが表示されたら、ユーザ名等の必要事項を記入して 【 OK 】 をクリックします。

今回は、”test” という名前のユーザを作成しました。

 

ユーザの作成が完了したら、そのユーザを ”IMS Users” グループへ参加させておきます。

もう一度 ”IMS Users” グループをダブルクリックして、グループ情報を表示します。そして、【所属するメンバ】 に、先ほど作成した ”test” ユーザを追加します。

 

これで ”test” ユーザを ”IMS Users” へ参加させることができました。あとは ”IMS Users” に対して、バッチジョブとしてログオンする権限を付加する必要があります。

「コントロールパネル」 の 「管理ツール」 から、【ローカルセキュリティポリシ】 を起動します。

そして、「ローカルセキュリティ設定」 ウィンドウから、【ローカルポリシー】 の 【ユーザ権利の割り当て】 を選択します。

そして 【バッチジョブとしてログオン】 をダブルクリックして、”IMS Users” を追加します。

 

Windows 2000 用の追加設定

Windows NT のころはここまでの設定でメールの送受信ができるようになりますが、Windows 2000 ではこれだけではすまないようです。

この状態でメールの送受信を行おうとすると、POP3 による受信時に 「パスワードが拒否されました」 というエラーメッセージとともに接続が拒否されてしまいます。またエラーは出ませんが、送信することもできません。

 

Windows NT でもそうだったようなのですが、EMWAC IMS のメールボックス設定で %HOME% を使用するとメールの受信時に POP3 がエラーをだすようです。C:\MAILBOX\%USERNAME% のように、%HOME% を使用しないですむように設定を変更する必要があります。

 

さらに Windows 2000 にて動かす場合には、レジストリを2箇所ほど書き換える必要があるようです。

まずはレジストリエディタを起動しましょう。

【スタート】 メニューのなかの、【ファイル名を指定して実行】 を選択します。現れたダイアログボックスの中に ”regedt32” と入力して 【 OK 】 を押します。

 

まず、インターネットドメインの情報を追記します。

複数個表示されたウィンドウから、HKEY_LOCAL_MACHINE という名前のウィンドウを選択します。その中のキーを、【SYSTEM】 → 【CurrentControlSet】 → 【Services】 → 【Tcpip】 → 【Parameters】 の中にある、【Domain】 の項目に、自分のインターネットドメインの情報を記述しておきましょう。

ここでは ”exp.ez-net.jp” を設定してみました。

 

そしてもうひとつ、検索する DNS の情報も追加します。

上記と同様、【SYSTEM】 → 【CurrentControlSet】 → 【Services】 → 【Tcpip】 → 【Parameters】 の中にある、【Nameserver】 の項目に名前解決に使用する DNS サーバの IP アドレスを記述します。

ここの値が設定されていない場合、メールの送信に失敗してしまうそうです。設定は 192.168.0.1,192.168.0.2 のように記述します。複数個の DNS がある場合にはカンマで区切って入力すればいいようです。

 

通常はこれでうまくいくはずなのですが、僕はなぜかうまくいきませんでした。

いろいろと調べてみたところ、どうやら HKEY_LOCAL_MACHINE という名前のウィンドウを選択します。その中のキーを、【SYSTEM】 → 【CurrentControlSet】 → 【Services】 → 【Tcpip】 → 【Parameters】 の中にある、【UseDomainNameDevolution】 の項目に 0 を設定すると正常にメール送信が行われるようになるようです。

詳しいことはわからないのですが、もし外部へメールを転送できないような場合があったら、UseDomainNameDevolution の項目を 0 に設定してみるといいかと思います。