CD-ROM ドライバ入り起動ディスクを作成する

BASIC


はじめに

今回は CD-ROM が使用できる状態の起動ディスクを作成します。

単純な起動ディスクを作ることで、起動直後のメモリ使用量を抑えることができます。Windows 95 をインストールしようとして、”コンベンショナルメモリ” が足りませんといわれた場合などに使用するブートディスクを作るのが目的です。

また、BIOS のアップデートなどで非日本語版 MS-DOS モードが必要なときに重宝することと思います。この場合 CD-ROM が必要かどうかは少し疑問ですけど。

 

必要なファイルは、CD-ROM の MS-DOS 用ドライバと MSCDEX.EXE という実行ファイルです。もしないようでも、これらは Windows の起動ディスクなどから拝借できると思います。

 

ブートディスクを作成する

MS-DOS プロンプトを起動して、

format A: /s

と入力してドライブ A のフロッピーディスクをシステムファイル付きで初期化します。

これで日本語環境が入っていない起動ディスクは完了です。

 

CD-ROM ドライバを起動ディスクへ

続いて CD-ROM ドライバをインストールするために、ドライバファイルをブートディスクへコピーします。

当然ながら MS-DOS 用のドライバが用意された CD-ROM が必要となります。

今回は CREATIVE 社の PC-DVD という CD-ROM を使用することにします。実のところ DVD-ROM ですけどまあ問題ないでしょう。

 

PC-DVD に付属していたドライバディスクから、起動ディスクへ必要なファイルをコピーします。

今回必要となるのは、

SBIDE.SYS

というシステムファイルです。これが MS-DOS 用の PC-DVD ドライバです。

A: ドライブに PC-DVD のドライバディスクを挿入して、

copy A:\SBIDE.SYS B:\

と入力します。ちょっとすると、

Insert diskette for drive B: and press any key when ready

と表示されますので、起動ディスクをフロッピーディスクドライブへ挿入して ENTER キーでも押しましょう。すると、

Insert diskette for drive A: and press any key when ready

といわれるので、PC-DVD のドライバディスクを挿入して ENTER を押します。

両ドライブ間でコピーができることが確認され、再びディスクを入れてくれというメッセージが現れます。

Insert diskette for drive B: and press any key when ready

もういちど 起動ディスク をフロッピーに入れて ENTER を押します。

 

サイズが小さ目のファイルならこれでコピーは完了します。再び

Insert diskette for drive A: and press any key when ready

といわれますので、もう一度 PC-DVD のディスクを挿入して ENTER を押します。

 

ドライバの導入

ドライバの導入にあたって必要なファイル MSCDEX.EXE を起動ディスクへコピーします。

この MSCDEX は、今回は Windows 95 に付属してきた起動ディスクからコピーすることにしました。

A: ドライブに Windows 95 に付属のの起動ディスクを挿入して、

copy A:\MSCDEX.EXE B:\

と入力して、ドライバファイルの時と同様の手順でコピーを行います。

 

これで必要なファイルがそろいましたので、インストールを行います。

まず CONFIG.SYS という名前のファイルを作成して、ここで SBIDE.SYS を MS-DOS に組み込む設定をします。

テキストエディタでも作成できますし、次のようにしても作成することができます。

ただし この方法だと、すでに CONFIG.SYS が存在していた場合には上書きすることになります ので気をつけて下さい。

C:\> copy con CONFIG.SYS [ENTER]
DEVICE=SBIDE.SYS /D:SBIDE /P:170,14 /V
[ENTER]
LASTDRIVE=Z
[ENTER]
^Z

最後の ^Z というのは、[Ctrl] を押しながら Z を押してください。

これで CONFIG.SYS というファイルが完成します。これによって MS-DOS は起動時にこのファイルを参照して PC-DVD のドライバをインストールしてくれます。

そのとき導入された SBIDE.SYS は /D: で指定した SBIDE という名前で扱います。/P:170,14 はポート番号 170 番、IRQ = 14 という設定です。詳しいことはわかりませんけど、Secondery IDE ではこの値になるのでしょうか・・・。

ポートと IRQ の番号は、ドライバによっては指定する必要がないようです。今回の SBIDE.SYS ではこれを指定しないと CD-ROM を見つけてくれませんでしたが、NEC_IDE.SYS というドライバを使用してみると、/P: を指定しなくても自動的に見つけてくれました。

 

これでドライバは導入完了となりますが、CD-ROM をマウントしないと使用することができないので、その設定もしておくことにします。

マウントには MSCDEX.EXE を使用します。

使用する CD-ROM ドライバとマウントするドライブ名を指定して MSCDEX を起動すればいいのですが、起動時に自動的に実行されるように AUTOEXEC.BAT というファイルを作成しておくことにします。

この AUTOEXEC.BAT を使用すれば、起動直後にすきなプログラムを自動的に実行するように設定できます。

CONFIG.SYS の時と同様に、以下のようにして作成します。

ただしこの方法は CONFIG.SYS と同様、すでに AUTOEXEC.BAT が存在していた場合には上書きすることになります ので気をつけて下さい。

C:\> copy con AUTOEXEC.BAT [ENTER]
MSCDEX.EXE /D:SBIDE /L:Q
[ENTER]
^Z

最後の ^Z というのは、[Ctrl] を押しながら Z を押してください。

MSCDEX.EXE の行の /D: の部分は、CONFIG.SYS 内で指定した /D: の部分の名前と同一です。そのあとの /L: ではどのドライブ名を使用するかを指定します。今回の例では Q となっていますので、Q: が CD-ROM ドライブとなるような設定です。

 

以上で完了です。

再起動して、正常に CD-ROM が認識されれば成功です。SBIDE.SYS でももうひとつの CD-R を認識するし、NEC 用の NEC_IDE.SYS を使ってみても PC-DVD と CD-R の両方を認識したので、CD-ROM ドライバならけっこう何でも大丈夫かもしれないですね。